体外衝撃波疼痛治療(ESWT)とは
衝撃波を傷ついた組織に照射することで患部(足底腱膜炎・テニス肘・肩の石灰性腱炎などで痛みのあるところ)に微細損傷を作り、本来生体が持っている組織の治癒能力を高め『除痛効果と組織修復』が期待できる治療法です。腱が骨に付着する周囲の痛みに対して特に有効で、体操男子の内村航平選手が世界選手権直前に行い、右足の靭帯損傷を短期間で治療したことでも知られています。

当院で使用する装置
体外衝撃波疼痛治療装置には集束型と拡散型があります。当院では、集束型の体外衝撃波疼痛装置『DUOLITH®SD1T-TOP ultra(デュオリスSD1ウルトラ)』を導入しています。
集束型は、集束した範囲にエネルギーを与えるため、患部のみにエネルギー強度を高く照射することが可能です。腱付着部炎では、拡散型も有効ですが、集束型の方がエネルギー強度を10倍以上強くすることができ、より治療効果を高めることが可能です。また、エコーで病変部を正確にターゲティングして治療できるという長所もあります。
集束型体外衝撃波
治療の特徴
- 1回の治療時間は約10分ほどです。
- インターバルは1週から4週で疾患により異なりますが2〜3回ほど行います。
- 施行後1ヶ月間ほど組織修復を待ち、その時点で痛みが残る場合は再開することもあります。悪化が見られた場合は途中で中止することもあります。
- 疼痛のある部位にピンポイントで照射するため軽い痛みを伴いますが、患者様が我慢できる範囲で出力を少しずつ上げて行きます(出力が高い方がより効果があるため)。
- 麻酔などは不要です。
安全性と守っていただきたいこと
- 治療後に発赤や皮下出血が照射部位に出現することがありますが、数日以内に改善が見られます。ただし当てた部位の組織に細かな傷を与えるので治療当日は安静にされてください。
- 人によっては治療後から翌日にかけて痛みが出ることもありますので翌日までは痛み止めのお薬などで様子を見てください。
- 治療期間中は痛みを感じなくなっても激しい運動はしないでください。組織修復の途中で急な激しい運動をすると再受傷する恐れがあります。
治療を受けることができない方
- ペースメーカーなどの電磁場障害の影響を受けやすい医療機器を植え込んでいる患者様
- 悪性腫瘍、心疾患、高度の知覚障害
- 妊娠されている方
- 体温が38°C以上ある方
保険診療について
保険診療の対象になるもの
- 難治性の足底腱膜炎
- 6ヶ月以上の保存療法(内服薬、湿布、インソール等)の治療を行っても痛みが改善しない方
保険診療の対象にならないもの
(自由診療)
- 足部:足底腱膜炎、アキレス腱炎、アキレス腱付着部炎
- 膝:膝蓋腱炎(ジャンパー膝)
- 肘:上腕骨外上顆炎(テニス肘)
- 肩:石灰沈着性腱板炎(石灰性腱炎)
- 骨折:疲労骨折
費用
保険診療
難治性足底腱膜炎の場合:50,000円(週に1回、計3回照射の費用)- 窓口での自己負担額は1〜3割となります。
- 50,000円×1〜3割=5,000〜15,000円
自費診療(自由診療)
一律1回につき | 11,000円(税込) |
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体外衝撃波治療をご希望の方へ
はじめに医師(担当は橋本院長)の診察を受けて頂き、レントゲン検査や超音波エコーでの検査を行い、治療が適応になるかを判断させていただきます。同意書を施行前にいただきます。