令和5年10月13日から2日間、東京で第50回日本肩関節学会学術集会が開催され、例年同様参加してきました。
肩に関する疾患の病態・治療解明を進歩・普及させることを目的とした学会で、恩師の故信原克哉先生らが発起人となって創設された「日本肩関節研究会」を母体として、「一般社団法人日本肩関節学会」に発展、さらにPTらが主体の「日本肩の運動機能研究会」と合同で学術集会を開催するまでになり、今回が50回目の節目に当たります。日々進化している肩疾患の治療で、現在までの成果と何が問題なのかを2日間にわたって熱く議論をします(信原病院在職中のころの学術集会は斬新なアイデアが飛び交い、もっと熱かったのですが)。今回も法人組織の代議員として学会前日の社員総会・会長招宴に出席、学会開催中は講演の座長や会場での発言もいくつかさせていただき、新しい知識を得られ、とても勉強になり充実した学会でした。ただ一時期そうであったように一部のセッションで発表内容が技術と成績の自慢の場になっているようなところが見受けられ、今後の学会の進むべき方向に一抹の不安を感じたのも正直な感想でした。
今回は当院のPT全員を連れていきました。肩腱板断裂、反転型人工肩関節(RSA)、50肩(学術用語としては凍結肩)、プロ野球選手の肩投球障害、胸郭出口症候群(TOS)などに対する治療の進歩や最新の動向などの発表や肩関節外科医たちによるディスカッションなどを聴講し、また同世代のPTたちの多くの研究発表、全員懇親会でお酒を飲みながらの学会員同士のフランクな意見交換なども体験してもらいました。当院のPTたちにとっては何もかもが初めての経験だったようで(うち2名は2回目の参加)、肩疾患の治療に対するモチベーションがかなり上がったようです(学会後の研修報告を見て)。この経験と得た知識を今後患者様に還元してくれるであろうことを考えると連れて行って本当に良かったと思っています。